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CS:GOのグラフィックはモデリングとか影の描写とか技術面では綺麗なんだけど、リアリティ="美しい"とは思わない。僕なんて経路分の道と壁がありゃいいだろ位なもんでグラフィックはさほど拘らないんですが、GOはどこかパッとしない。皮肉な事に美しさを決めると言ってもいいゲームエンジンにデザイナーがほとんど無関係なのである。

デザイナーというのは美しく見せるのが主であってリアリティを見せるのが仕事ではない。かといって不十分なリアリティでは今の時代売り上げの見込みが立たない。現代における難しいところだ。リアリティ溢れる建物、小物、ありとあらゆる物に3DCGの造形が必要になってくる。3Dモデリングではさほど差がない今、クオリティの多くを決めるのは3DCGに貼り付ける2DCGなのかもしれない。その分神がかった調整が必要とされるわけだが。

2DCGは技術的な進歩が大きい。1面にグラフィックを貼り付けた簡単なものでも、10年前に作られた物と大きく差が出る。加えて、エフェクト技術も向上していて、グラフィックに付与する形で光の反射具合も大きく調整出来るようになった。CSとCS:Sを見比べても十分に違いがわかるだろう。同じように貼り付けても大分リアルに見えるようになった。

こんな事が出来るようになりました。と各社競ってエンジンを開発するようになってから、どうも技術的には優れているのに、「このグラフィックが好きだ」思わされる事が少ない。光・影の演出が向上して、作品のクオリティに占める割合は大きく飛躍したが、どうもユーザーのニーズに求められている事に合致してないと思うのです。質感・水・光・影・物理演算の表現がうまい具合に出来るようになったからといって、それは現実世界の"再現"に過ぎない。現実の再現ならば『ゲーム』としてはまだまだ不十分で味付けが足りない。僕らが思う「感覚的美しさ」に至るには、この表現をうまく生かしてあげる必要があると僕は考えているのだが、世界はそちらの方向には向いていないのではなかろうか。

逆に言えば、現実世界の再現に使う用途にはとても向いている。光の位置を移動させながら反射具合を見る、水をここから流すとどうなるか、なんてことも出来るから、調整するのには非常に良い。

ゲームジャンル全体で見るとCS:GOは大分綺麗に見える様に作ってあるのに、CS:Sと比較するとGOはリアルになったおかげで全体が暗くなってしまった感がある。どっちが好きかと聞かれたらCS:Sと答えてしまうあたり、技術が向上しても救われねぇ。エンジンが新しいかどうかなのにね。